第9本目:茨城県道7号石岡筑西線
実走した県道を紹介していく「しんとちの県道」シリーズ。
今回取り上げるのは、「茨城県道7号石岡筑西線(いしおか・ちくせいせん)」です。
この道は、茨城県の中央部に位置する石岡市をスタートし、筑波山と加波山の間にある上曽峠を越えて、茨城県西部の筑西市に至る県道です。石岡市内に一部片側2車線、上曽峠前後の山越えの区間はセンターラインのない2.0車線道路(すれ違いはできる)がありますが、それ以外は片側1車線です。また、筑西市内は、接続する国道50号のバイパスが2014年に開通したことに伴う経路変更があり、かつての終点から経路が二手に分かれるようになったため、終点が2つあります。
↑筑西市内の県道7号の路線図。これまでは旧国道50号(横に伸びる黒と緑の線)の桜町交差点が終点であったが、国道50号のバイパス開通に伴い、50号と国道294号に挟まれた区間が県道に追加指定された。
次に路線の様子です。
石岡市街地の国道6号との十字路をスタートした当県道は、西に向かって片側2車線の広い道路を進んでいきます。常磐道を越えて工業団地に入ったあたりで車線がひとつ減ります。工業団地を過ぎてからは、片側1車線のありふれたローカル県道に変貌します。
石岡市八郷地域に入ると、昔からの集落をつなぐルートになるため、小刻みにカーブが続きます。めちゃくちゃ走りにくいというわけではありませんが、歩道が少なく、ガードレールも多くはないので、スピードを出し過ぎているとカーブを曲がり切れずに民家や田畑に突っ込んでしまうので注意が必要です。八郷中心部も歩道がなく、建物が迫ってきているので、歩行者や買い物客に注意です。石岡市街から石岡市八郷地域にかけては、2018年の春先に走行したのが最後なので、今はもっと整備されているかもしれません(それ以外の区間は2021年内に走行している)。
八郷を過ぎると、いよいよ山越えの区間です。八溝山地(筑波連峰とも)の上曽峠を境に、石岡市側は急カーブとヘアピンが連続する見通しの悪い区間が続きます。集落を過ぎるとすぐに山なので、いかにも山道に入った感が強いです。
峠の西側・桜川市側は、ふもとの街に向かって一気に駆け降りる(街から一気に駆け上がる)線形になっていて、特に下りの場合は勾配がきついのでスピードに注意です。
山越えの区間はガードレールなどの設備もしっかりしていて、転落のリスクはあまりありませんが、センターラインのない2車線道路なので、すれ違いの際は対向車に十分注意してください。なお、この区間は峠直下でトンネル工事が進められており、完成すればそちらが県道に指定されるものと思われます。交通量が割と多い道なので、早期開通に期待です。
↑県道7号の大まかな路線図。石岡市周辺から茨城県西部へ向かう最短ルートのひとつなので、山越えはあるものの大型車も含めて交通量は多い。
桜川市から筑西市の終点までは、高低差のあまりない平野部を快走する区間となります。筑西市街地は歩道やセンターラインがない区間も一部ありますが、おおむね走りやすい区間といっていいと思います。信号も少ないので、流れは早いです。旧国道50号区間は市街地を突っ切るので信号・交通量ともに多いですが、こちら側の青時間がかなり長めに設定されているので、日中は渋滞することもなく通過できます。
沿線には筑波山・雨引観音といった観光地があるほか、八郷地域はぶどう・栗などの果樹園、筑西市は小玉スイカ・ナシの産地でもあるので、通年で旬の果物を楽しめるところとなっています。また、桜川市はみかんの栽培ができる北限といわれており、筑波山のふもとにみかん狩りができる果樹園が存在します。期間は短いですが、みかん狩りを体験したい方は、調べてみることをお勧めします。
今回は、茨城県道7号をとり上げました。そこそこの距離があり、区間ごとに全く違う顔を持ち、難所も少ないので、県道走破を目標にしている方にはおススメの道です(単調な道が苦手な方もいるかもしれませんが)。もちろん普段使いでも便利な道ですので、毎日多くの人が利用しています。山越え区間のトンネルができれば、今以上に重要度が高まる路線といえるでしょう。
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